Comments
- すぷー
- 2017/01/09 07:07 PM
- >ほいさん
「アメリカが日本を特別に恐れているのは原爆の仕返しを恐れているから」「原爆の報復をされてしまう」からですか?
ドイツを怖がっていないのは「原爆を投下していないから」ですか?
あなた、原爆の投下がそれほど特別なものだと思っているのですかね。
「核兵器の使用」という意味では、確かに特別です。
しかし「一般市民の虐殺」という意味では、使用における被害の甚大さ以外には特別ではないでしょう。
これは何故かというと、元々一般市民の攻撃という戦略思想があったことが始まりです。
1921年、イタリアのジュリオ・ドゥーエという軍人は、第一次世界大戦の経緯から「戦争を早く終わらせる手段」として一般市民を狙う無差別爆撃論を提唱し、これが各国の空軍の設立、爆撃機の重視へと向かいます。
そして1937年以後からドイツが無差別爆撃を実地し始め、第二次世界大戦で日本が参戦するまでには、ドイツ・イギリスなど、各国で行われる手段とも言える状態になってしまいます。
原爆の投下はその延長線上にあると言えるものなので、「一般市民の虐殺」という意味では特別なものではなく、第二次大戦中の数ある虐殺行為の中の一つに過ぎないのですよ。
スーザン・ライスの「興味深いことに、日本は謝罪を求めていない」という発言は、アメリカ側の謝罪するのかという一般世論に対してのもので、「オバマ大統領が謝罪する」や「日本が謝罪を求めているのか」という報道から湧きあがった世論に対してのものではないですかね。
次に戦後のアメリカの戦略から考えてみましょう。
大戦後、米ソが対立し始めると、アメリカは世界を、ルーズベルトが提唱した「連合国同士の共同管理」から「アメリカの覇権による一括管理」へと舵を切り、ユーラシア大陸沿岸部にある多数の同盟国でソ連を包囲するという「ソ連包囲網」を築き始めます。
その中でアメリカは、同盟国同士が結託してアメリカに歯向かうことがないように適度に対立させておく、同盟国同士の「分割統治」を実地します。
しかし戦略上どうしても結託させなければならないときは、アメリカがコントロール出来る立場に収まろうとしていて、この例はNATOやASEANに見られます。
そしてもう一つ、冷戦中の戦略の中で、「二重の封じ込め」というものが存在します。
これは西ドイツと日本に対して行われたもので、この二か国が独自に行動を起こすとアメリカの一括管理に影響が出ることと、周りの国々が反応してその地域が不安定になることが理由です。
当時対立し始めたソ連や自由主義国側の連合国以外に、行動を起こせるほどの国力を潜在している国はこの二か国だけでしたから。
「アメリカの覇権による一括管理」「同盟国同士の分割統治」「結託させるときはコントロールできる立場に収まる」から、アメリカに対する脅威を許さないことが見て取れると思いますが。
これは「アメリカの戦略や軍事関係のニュース、軍事行動を見ていると、この方向性があることが分かります」と書いた理由の一部です。
次に日本と西ドイツを対象とした「二重の封じ込め」から、「日本と西ドイツ両国の行動」を警戒していたことがわかります。
これだけでも、「アメリカが原爆を投下した日本を恐れて西ドイツを恐れない」ことを否定するものだと思います。
あなたが自分の書かれたことを正しいと主張し続けるなら、とりあえず「アメリカは敵対する国を叩く」が一般論だという理由と、「原爆の報復を恐れているから日本のみを叩く」ことが反映されている戦略なり証拠なりを提示するべきだと思います。
「立場が逆だった場合を想像してみれば分かることです」程度では、「そのように考える人もいるでしょう」や「そんなに恨み続けるのは朝鮮人くらいではないですか」で終わりだと思いますが。
世界の軍事関係の間では「アメリカが本当に恐れているのはロシアの核兵器だけ」だというのが常識です。
実際アメリカの国防省関係者は一番の脅威だと言い続けてきましたし。
この言葉を知っていれば、プーチン大統領が言った、例のクリミアでの「核兵器を使おうと思った」という発言も、また違った意味合いを持ってくると思います。
ついでに言いますが、「バッシングの黒幕はアメリカ」や「中国や韓国はアメリカにとっていい手駒」だという理由の証拠も根拠も全く示されていませんし(あなたのイメージによる想像は書かれていますが)、私は「アメリカ例外主義」の否定もしていませんよ。
[5] comment form
[7] << [9] >>