[2] 教科書から消えた唱歌・童謡

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rourouto
2011/07/19 11:05 AM
くっくりさん、興味深い話題をありがとうございます。
少しばかり年をくっているので、知っていることをご参考までに。

教科書から唱歌が消えたのは、ほぼ10年ごとに行われる
学習指導要領の改定が原因かと思います。

昭和43年の改定は教科内容の中身が、最も濃かった(内容も高度)もので、
私はありがたくもこの世代です。

それが、「落ちこぼれを生んだ」と批判されて、
昭和52年に大きく舵を切ります。
合言葉は「ゆとりと充実」でした。
言葉は悪いですが、日本の教育の「バカ化」の原点です。
おそらく、この頃から唱歌が否定されだしたと思います。
歌詞が難解、マイナスイメージがあるといった理由です。

「われは海の子」は、一番の歌詞にある「煙たなびくとまや(苫屋)こそ」の、
苫屋を理解できないという理由だったと記憶します。

世に悪評の高い「ゆとり教育」は平成10年の改訂ですが、
ここで一層の「古き良きもの」の放逐が行われました。

卒業式の定番である「仰げば尊し」も一気に姿を消していきます。
かろうじて教科書に載せているところもありますが、
この年に、「仰げば尊し」は、三番まであった歌詞の二番が削除され、
「歌詞は全二番」ということにされました。
(教科書会社の判断によると思いますが)
たしか、話題になったような記憶があります。
これが元々の三番までの歌詞です。


(1) 仰げば尊し 我が師の恩
  教えの庭にも はや幾年
  思えばいと疾し この年月
  今こそ別れめ いざさらば

(2) 互いに睦し 日頃の恩
  別るる後にも やよ忘るな
  身を立て名をあげ やよ励めよ
  今こそ別れめ いざさらば

(3) 朝夕なれにし 学びの窓
  蛍のともしび つむ白雪
  忘るるまぞなき ゆく年月
  今こそ別れめ いざさらば

この二番の「身を立て名をあげ やよ励めよ」は、
立身出世を意味するのでよくない、というものです。

つまり、この歌ができた当時(明治時代)の思想が、
現代の個人を尊重する社会の価値観とは合わない、
という理由で削除されました。

こうしたケチのついた曲はどうしても敬遠されるのでしょうか。
私の二人の子どもは、いわゆる「ゆとり世代」ですが、
小・中・高のいずれの卒業式でも
「仰げば尊し」は歌われませんでした。

「ゆとり教育」をやめるそうですが、だからといって
唱歌が復活するのか、はなはだ疑問に思います。
すでに「ジブリ」の「さんぽ」が古典になりつつある(笑)時代です。

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[Serene Bach 2.04R]