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- ムムム
- 2016/08/27 10:09 AM
- 戦後の「象徴天皇」を認め、天皇制の維持のためには多数の国民の支持が必要という大前提で....
竹田恒泰氏の「もし女系天皇が生まれたら、認める人と認めない人が出てきてしまう。憲法第一条の国民の統合の象徴としての天皇の役目を果たせなくなる」という視点は一理あると思うが、戦後の開かれた皇室(国民はメディアを通じて幼少の頃からの皇族の方々を近しく感じる)の時代であるから「男系の維持だけを目的に継体天皇のようなことをすれば、認める人と認めない人が〜(以下同文)」という視点を見失ってはいけないと思います。
天皇制を維持するには、「男系男子で繋いできた」という「物語」(事実かどうか今となっては誰も証明できいないので、信じるか否かの信仰の問題であることは自覚すべき)と「開かれた皇室」という「国民の親しみ」を両立させる必要がある。どちらか一方で良いという話ではないと思います。
男系維持派の人は自覚していない?かもですが、男系を維持するというのは、結局のところ天皇の人権侵害(天皇に人権が無いという法理は横に置きます)を何処まで許容するかの問題です。
・一夫一婦制の定着した現在に側室を復活させて男系男子誕生の可能性を増やす
・女性皇族を皇位継承に組み込む代わりに皇位継承権のある女性皇族が男系男子としか結婚できないようにする(女性皇族の婚姻の自由を奪う)
・女性皇族を皇位継承に組み込む代わりに皇位継承権のある女性皇族は男系男子の乳幼児との養子縁組をする(養子縁組の自由を奪う、養子縁組される乳幼児の人権を奪う)
・皇位継承権のある男性皇族に男子が鵜有れない場合は、男系男子の乳幼児との養子縁組をする(養子縁組の自由を奪う、養子縁組される乳幼児の人権を奪う)
突き詰めれば女系容認というのは、天皇も含めて「人権侵害を認めない」という話なんだけど、これに対して男系維持派というのは「天皇に人権は無い/人権侵害差支え無い」という話で、これが天皇制維持に必要な多数の国民の支持を受けられるかどうか...ここらへんは真摯に受け止めるべきだと思っています。
男系維持が大切だと思うなら、何を守るべきかの優先順位をしっかり持って、優先順位の低いことは鷹揚にということだと思います。自分も一応男系維持派の端くれなので拘るキモチは解るけど、ここで大切な大前提「多数の国民の支持が必要」を肝に銘じないといけません。多数の国民の支持を受けるには、不必要に問題を複雑化しないことが大切だと思います。
例えば「一代限りの譲位」か「恒久法での譲位」の問題。一代限りの「特別法」も「恒久法」も何れも両院の過半数で可決するので違いは全くありません。時の政権の介入を避ける意味では「恒久法」の方が明らかに良いのに、竹田恒泰氏は別のところでは政治介入を問題にするのに対し、ここでは「特別法」を支持するなど、これでは多数の国民の支持は得られません。
例えば「女性宮家」問題。竹田恒泰氏は「男系男子の養子縁組」を主張されていましたが、ならば「女性宮家/男系女性天皇」は全く問題無い話。「男系の維持」が大切なのか、「男系男子」(男系でも女性天皇を認めたくない)が大切なのか良くわからず、これでは多数の国民の支持は得られません。
「最終的な天皇制の破壊を目的とした陰謀」を心配するのも良いのですが、陛下のお言葉を受けて生前退位/譲位を支持する80%の国民の良識に如何に訴えるかの方が大切だと感じるところです。
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